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あなたは飯島真理というアーティストを知っていますか?
飯島真理さんといえば、
アニメファンの間では「超時空要塞マクロス」のヒロイン「リン・ミンメイ」の声優
およびその中で歌われる楽曲が一番有名ですよね。
もちろん私もマクロスは大好きです。
作中歌も本当に最高です。個人的アニメ史上ベスト3に入れるぐらい好きな作品です!!!
しかし!ちょっと待って下さい。
それだけでは彼女の魅力は半分、いやいや全然伝わってないことになります。
マクロスのことを知らない方もいるとおもうので、マクロスのことも紹介しつつ、
今回は飯島真理さんのマクロス以外の部分、特に80年代を彩った傑作アルバムの数々について紹介したいとおもいます。
彩った(いろどった)というのは比喩ではなく、アルバムのタイトルにヒントが隠されています。
これは、最後に説明しますね。
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「飯島真理」 幼少〜学生時代
飯島真理さんは、1963年生まれ。
3歳の頃からピアノを弾き始め、小学生の頃には作曲をしていたという秀才です。
高校を卒業後「国立(クニタチ)音楽大学音楽学部ピアノ科」に入学します。
とうことで幼少の頃から音楽の才能はとてもあったんですね。
そして大学在学中に送ったデモテープがきっかけでビクターと契約します。すごい!!!
「飯島真理」 テレビ版『超時空要塞マクロス』
飯島真理さんがビクターと契約した頃に新しいアニメの企画が進んでいました。
そのアニメの中で歌手のキャラクターのオーデションがあることを知らされ、とりあえず応募すると見事合格。
彼女自身は幼少の頃から音楽好きだったこともあって、当時アニメのことはほとんど知らなかったそうです。
1982年、歌手としてデビューする前にテレビアニメ『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイ役で声優デビューします。
これがその後の彼女の運命を分けたといってもいいでしょう。
飯島真理さんはリン・ミンメイの声優だけでなく「私の彼はパイロット」「愛は流れる」も作中で歌い、
さらにミンメイの振り付けも考案しています。本当にマルチな才能のある人です。
しかしこれがリン・ミンメイ=飯島真理という強烈なイメージが、最初から作り上がってしまいました。
「飯島真理」 スプーンおばさん
1983年にNHKで一本のアニメが放送開始になりました。
「スプーンおばさん」です。
月曜日〜金曜日の17:50〜18:00の10分番組で、約1年間放送されました。
このオープニングとエンディングの歌「夢色のスプーン」と「りんごの森の子猫たち」
この曲はアニメ主題歌としてシングルレコードが発売されているので、
実質上は飯島真理さんのデビュー曲となります。
作詞・松本隆 作曲・筒美京平 歌・飯島真理
しかし本人は歌入れのときにレコードになることを知らされていなかったようで、
複雑な気持ちだということを後に語っています。
なんだか「大人の事情」的な裏話でつらい気分になりますが、
この2曲は本当に楽曲、歌唱ともに素晴らしく超名曲です!
とくにエンディングの「りんごの森の子猫たち」は筒美京平のオールドアメリカン調の曲に、
スプーンおばさんの人となりがわかる松本隆の優しい歌詞、
それらすべて表現した弱冠20歳の飯島真理さんには本当に驚愕します。
何度聞いてもジーンと胸が暖かくなる曲です。
飯島真理さん本人に才能があるのはもちろんなのですが、
とにかくデビューから筒美京平と松本隆の楽曲、
さらにまだまだ彼女に関わるミュージシャンがすごい方ばかりなんです!
では、ファーストアルバムから年代順に紹介していきますね。
「飯島真理」ファーストアルバム 『Rosé』 坂本龍一
1983年9月リリース。全曲作詞作曲・飯島真理。
そしてプロデュース・アレンジは世界のサカモト、坂本龍一。
脇を固めるミュージシャンたちは
後藤次利(ベース)、林立夫(ドラム)、大村憲司(ギター)、清水靖晃(サックス)、杉真理(コーラス)、吉川忠英(ギター)、浜口茂外也(パーカッション)、吉川忠英(アコースティックギター)、向井滋春(トロンボーン)
という日本を代表するそうそうたる面々。
いかに彼女が期待の新人だったということがわかりますね。
このファーストアルバムは、今でも80年代の名盤として音楽ファンに支持されている一枚です。
・「Shine Love」
・「ひみつの扉」
「飯島真理」セカンドアルバム『blanche』 吉田美奈子
1984年3月リリース。全曲作詞・作曲 飯島真理
そしてセカンドアルバムではプロデュース・アレンジに吉田美奈子さんが抜擢されています。
吉田美奈子さんは、細野晴臣さんに見出されデビュー。
山下達郎さんのアルバムにもバックコーラスや、作詞でたくさん参加しています。
飯島さんの甘い感じのボーカルは控えめになり、全体的に都会的でクールなイメージ。
これはかなり吉田美奈子さんのアレンジが強く、
飯島真理さんはこのアレンジはあまり気に入っていなかったとの自身の言葉もあります。
私も当時はなんだか期待していたのと違うなとおもったものですが、
年を重ねていくとこのアルバムも良いなとおもうようになりました。
・「Rulie」
・「シグナル」
「飯島真理」 劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』
セカンドアルバムから約4ヶ月後、
1984年7月にマクロスの劇場版アニメ「愛・おぼえていますか」が劇場公開されました。
これがヒットし、飯島真理の歌った映画主題歌の「愛・おぼえていますか」はオリコン最高7位にランクインし、
6週連続のトップ10入りを果たしました。彼女も数々の歌番組に出演し一躍全国区の歌手となります。
この曲の、作曲は加藤和彦さん、作詞は安井かずみさんです。
関連記事: 加藤和彦・ロネッツ・ビーチボーイズ・安井かずみ・超時空要塞マクロスにつながる Do You Remenber Me?
宮崎駿・押井守・庵野秀明というのちに日本のアニメを世界に広げる3人にとっても重要な作品というのも感慨深いです。
「飯島真理」サードアルバム『midori』 清水信之
1985年3月リリース。
プロデュース・アレンジに清水信之。
個人的には飯島真理さんのシンガーソングライターとしての良い部分が、
清水信之さんによって最大限に引き出された最高傑作だとおもいます。
坂本龍一さんや吉田美奈子さんも良かったのですが、
より清水さんは飯島真理さんの音楽性を理解しているとおもいます。
ビートルズオマージュなど遊び心もあって、単純に聴いてて楽しいんですよね。このアルバム。
・「Rulie」
・「シグナル」
「飯島真理」4枚目のアルバム『KIMONO STEREO-GREY-』
1985年11月リリース。
初の海外、ロンドンでレコーディングされた4枚目のアルバム。
エレキギターや、パワフルなドラムなど
ロックな曲も意欲的に取り入れています。
・「ピンクのルージュ」
・「Diary」
「飯島真理」5枚目のアルバム『Coquettish Blue』 山下達郎
1984年リリース。5枚目のアルバムにしてムーン・レコード移籍第1弾アルバム。
ラジオ番組で山下達郎と共演したことがきっかけで、
山下達郎自身も役員を務めていたムーン・レコードに移籍します。
ミンメイの声優という世間のイメージを振り払うような、
気合いの入った本格的なシンガー・ソングライターとしての第一歩としてもとても素敵なアルバムです。
このアルバム最初は山下達郎がプロデュースするはずだったのですが、
彼女の意向で全曲セルフプロデュースに変更された経緯があります。
たらればは言いたくないのですが、もし山下達郎がプロデュースしていたら「どうだった?」というのは、
シティポップミュージック好きなら誰しも考えてしまうことでしょう。
でも大人の魅力全開の、本当に良いアルバムです!
・「Crime」
・「元気でね」
「飯島真理」6枚目のアルバム「Miss Lemon」
1988年リリース。ムーン・レコード移籍第2弾。
後の夫になるジェームス・スチューダーが全曲アレンジを担当しています。
安定の1枚で、彼女も自信に満ちた歌唱で80年代の名盤です。
彼女のひとつの頂点といっても過言ではない、傑作アルバムだとおもいます。
・「9月の雨の匂い」
・「気紛れウィークデイズ」
「飯島真理」7枚目のアルバム 「My Heart in Red」 TOTO
1989年リリース。ムーン・レコード移籍第3弾。
80年代最後のアルバムは、TOTOのジョセフ・ウィリアムズとジェフ・ポーカロが参加!
とうとう彼女をめぐるビッグアーティストもここまできたかという感じです。
ジョセフ・ウィリアムズとデュエットもしています。
プライベートでジェームス・スチューダーと結婚し、
そのままアメリカのロサンゼルスに移住し、音楽活動の拠点もアメリカになります。
・「Borderline」
・「Belive in love」
飯島真理 80年代をまさしく彩ったシンガーソングライター
デビューからここにいたるまで本当にすごい人たちと関わってきて、
さらにそれを自身の才能で昇華させてきたシンガーソングライターは稀だとおもいます。
まさに時代を彩った彼女。冒頭でも書きましたが、これは比喩ではありません。
これまでのアルバムのタイトルすべてに色がついているのです。
1「Rosé」 フランス語でピンクという意味です。
2「blanche」フランス語で真っ白という意味です。
3「Midori」そのまま緑色ですね。
4「KIMONO STEREO-GREY」 これはサブタイトルなのですが、GREY・灰色がついています。
あれっ、綴りはGRAYじゃないの?とおもいますよね。イギリスでは綴りがGREYなんですよ。
5「Coquettish Blue」青色ですね。
6「Miss Lemon」黄色ですね。
7「My Heart in Red」赤色ですね。
このへんの色に対する彼女のこだわりもすごく素敵ですね!
飯島真理 伝説は続く
90年代に入っても
「It’s a love thing」「Believe」「Different Worlds」「Love Season」「Sonic Boom」「Good Medicine」「Europe「Rain & Shine」」まではムーン・レコードで精力的にアルバムをリリース。
2000年代からはインディーズとして活動しています。
2018年にも新譜を発表しています。
また一時はマクロスの歌は一切歌わなかったのですが
アメリカでも熱狂的なマクロスファンが大勢いることなどもあり
最近は心境が変化したようでライブなどでも積極的に歌っています。
もちろんマクロスは最高です。
しかしその印象が強すぎて彼女のシンガーソングライターとしての才能が、
あまり知られていないのはもったいないことです。
まだまだ彼女の音楽活動から目が離せないようです。
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