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今回は映画の重要な小道具である、飲み物です。映画を見ていると、演技をする俳優たちは実にいろいろな飲み物を飲んでいます。
水、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、炭酸水、ビール、ワイン、ウィスキー、などなど種類もたくさんありますよね。
そしてコカコーラ!映画を見ているとよくコーラを飲んでいるシーンに遭遇します。
瓶・グラス・缶・紙コップ・ペットボトルと時代によって入れ物も違い、注目しているととても面白いです。小道具としての存在感も、瓶ならあの美しいフォルム、そしてそれ以外だと赤と白の目に飛び込んでくるデザインの素晴らしさ。
炭酸飲料があまり人気がなくなってきたといっても、映画館にはポップコーンとコーラがよく似合う。
そんなコーラが出てくる映画を紹介したいとおもいます。
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「ブッシュマン」(コイサンマン)
1980年・南アフリカ共和国映画。
コーラの瓶が最も重要に扱われた映画といえば、こちら「ブッシュマン」。今は「コイサンマン」と改題されています。
自家用飛行機のパイロットが上空で飲み終えたコーラの瓶を捨て、それを拾ったことから巻き起こる騒動を描いたコメディ映画。
コーラの瓶=文明・資本主義の象徴が、便利なものであるがゆえに、今まで仲良くしていた部族の人々が争いを起こし、それを地の果てに捨てに行くという、コメディですがかなり深いテーマを描いています。
監督はアフリカで映画を撮り続けた奇才、ジャミー・ユイス監督。こちらの記事で少し監督の生い立ちを書いています。興味のある方は読んでみて下さいね。
主演のニカウさんは、日本でも大人気で来日もしました。当時の宣伝では、今でもこのような生活をしていると書かれていましたが、映画に出演する前から、庭師の仕事をしていて、ちゃんと服も着て生活していました。
欲望の翼
1990年香港映画。監督ウォン・カーウァイ。
最初からこの映画、映像がざらついていて一気に引き込まれますよね。
なんとも影のある男レスリー・チャンが、薄暗いサッカー競技場の売り子のマギー・チャンを口説くシーンから始まりますが、ここで男が買うのが瓶のコーラ。
くわえ煙草でコーラの冷蔵庫から瓶コーラを取り出すと、慣れた手つきで栓を抜きます。この頃は冷蔵庫に栓抜きが横についていて、自分で栓をコンッと抜くのが良かったんですよね。冷蔵庫の上にはコーラの看板も掛かっていますね。
とにかくレスリー・チャンがかっこよすぎる。そして瓶コーラがものすごい似合う。
欲望の翼のラテン音楽について一度記事にしたことがあります。この映画の音楽最高なんで興味があったらぜひ読んでみて下さいね。
グッバイ、レーニン!
2003年ドイツ映画。監督ヴォルフガング・ベッカー。音楽は「アメリ」のヤン・ティルセン。
この映画ではコカ・コーラの大きい横断幕が向かいのビルに掲げられるシーンが、すごく強烈に印象に残っています。
ベルリンの壁崩壊でドイツ社会主義がなくなり、資本主義の象徴としてコーラが広告として出できます。こういう誰でもわかる象徴としてのインパクトは、はやりあの赤と白のデザインが優秀だからでしょう。
主人公の少年は、心臓発作の危険がある、熱烈な社会主義の母親に、ベルリンの壁崩壊を知ったら死んでしまうかもと思い、友達と一緒に偽装工作を始めます。
ドタバタコメディのようで、社会風刺もきいていて、最後は泣ける、傑作映画!
恋する惑星
1994年香港映画。監督ウォン・カーウァイ。
「欲望の翼」に引き続き、またもウォン・カーウァイ作品です。
この映画でフェイ・ウォンが働くデリ「ミッドナイトエクスプレス」のシーンには必ず後ろにコカコーラのサーバーが映っているんですよね。積み上げられたコーラの紙コップもいい感じです。
以前に恋する惑星のサントラに入っていないけど、ジュークボックスから流れるすごくかっこいい曲を記事にしました。 興味があったら読んでみて下さいね。
卒業白書
1983年アメリカ映画。主演・トム・クルーズ。
この映画でも何度かコカ・コーラが登場します。
まずトム・クルーズと友達たちがポーカーをしているシーンで、缶コーラが映ります。あとここで注目してほしいのが、映画ではあまり見かけない「TaB」という飲料の缶も少し映ります。
これはコカコーラ社が1962年から発売しているノーカロリーコーラです。アメリカではメジャーですが、日本では発売されていなかったので知っている人は少ないでしょう。
あれっ、でもTaBってなんか聞いたことあるぞ!という方いませんか?
そう!日本では1993年にタブクリアというTaBの無色透明の飲料が発売されました。しかしそもそもTaBを知らないのにタブクリアと言われてもね〜という感じで全然売れずに、1年たらずで販売中止になってしまった伝説の炭酸飲料水です。
本国アメリカやイギリスでも販売されましたが、惨敗だったようです。
実は私このタブクリアが結構好きでよく飲んでいました。後味が苦いと言われていました。
トム・クルーズ演じる主人公はその後、両親がバカンスで出掛けていることをいいことに、高校生ながらにウィスキーコークと冷凍食品をかぶりつく夕食で舌鼓をうちました。
とにかくこの冷凍食品がものすごくまずそう!この映画を見るときは、そこも注目して下さいね。食べ物とは思えません・・・。アメリカって。
卒業白書の主人公になりきり、掃除をすると早く終わるよという記事を以前書きました。興味があればこちらものぞいてみて下さいね↓
突破口!
1973年アメリカ映画。監督は「ダーティハリー」で有名なドン・シーゲル。主演・ウォルター・マッソー。
しがない田舎専門の強盗家業の主人公は、懲りずにまた銀行を襲ったまではよかったのだが、それはマフィアの裏金だったというアクション映画。
マフィアが放った冷静沈着な殺し屋が、主人公たちを徐々に追いつめていくのですが、その殺し屋が泊まる売春宿にコカコーラの自動販売機が置いてあるのが映ります。
本当に一瞬なのですが、怪しげな雰囲気の場所にあるとそれも味があっていいんですよね。
あと車椅子の銃砲店の店主で、裏情報屋のおやじの机にも缶コーラが乗っています。このおやじ簡単に人を裏切る嫌な奴なのでが、その後殺し屋にひどいことをされちゃいます。そこまでしなくても・・・。
ブラック・シーザー
1973年アメリカ映画。監督ラリー・コーエン。
いわゆるブラックスプロイテーションフィルムと言われる黒人映画の一本。
ストーリーは「犯罪王リコ」のリメークで、成り上がりギャング映画になります。
低予算で撮られているので、街中撮影はゲリラ撮影。映画撮影とわからない人が出演者に話しかけてしまったり、みんなカメラ目線でじろじろ見ていますが、すべてOKテイク(笑)
70年代初頭のニューヨークの街並みがリアルに撮れていて、よく見るとコーラの看板が2回映っています。
主人公が成り上がるきっかけの床屋で銃殺シーンでは瓶の古い型の自販機が端に見えますね。
さらにコーラの配達のトラックも街中を走っているのが2回確認できます。このへんは偶然なのか、はたまたスポンサーとしてわざと画面に映り込むように撮ったのかはわかりません。
音楽は全編、ファンクの帝王ジェームス・ブラウン!コーラを飲みながらこの映画を見れば最高にファンキー!!!
栄光のル・マン
1971年アメリカ映画。監督リー・H・カッツィン。
主演スティーブ・マックイーン。
1923年から開催されている、歴史のある有名なカーレス、フランス郊外ル・マンでの24時間耐久レースを題材にした映画。
カーレス大好きなスティーブ・マックイーンが自らのプロダクションの総力をあげて製作しましたが、商業的には大失敗に終ってしまいました。しかし日本では大ヒットしました!
この映画は、撮影用の映像と1970年の実際のル・マン24時間レースの映像をうまく合わせて使用しています。
その為レースが始まる前の観客などの盛り上がりなどがドキュメンタリータッチで撮られていて、臨場感があふれていて素晴らしいです観客を見るだけでも、その当時の服装とか楽しいです。あたかも自分もル・マンの観客として参加しているかのような錯覚になります。
コカコーラはこの大会にスポンサーとして広告を出していたので、ところどころ看板などが目につきます。
あとピット内でスタッフが瓶コーラを飲むシーンが一瞬ありますので注目して下さい。
最後はフェラーリとポルシェの壮絶なデッドヒート。勝つのはどっちだ?! ハラハラの展開に喉が渇いたらコーラを飲もう!
ペギー・スーの結婚
1986年アメリカ映画。監督フランシス・フォード・コッポラ。
出演キャスリン・ターナー ニコラス・ケイジ
夫との結婚生活に後悔している主人公ペギー・スー。
同窓会に参加中に倒れてしまい、意識が戻るとそこは夫と出会った1960年のハイスクール時代だった。夫とはうまくいかないとわかっているペギーは、違う人生を歩もうともう一度高校生活を送り直すハートフルコメディ。
ペギーは人生を変えようと夫以外の男性とも積極的に関わろうとするのですが、詩人で自由人で世捨て人のような男と一夜の恋に落ちます。
その男と会うシーンのドーナツカフェの入り口から、コカ・コーラの冷蔵庫が見えます。
やはり60年代のアメリカにはコカ・コーラはかかせない存在ですね。
タイムトリップしたあとの主人公の妹役は、今や女性監督の代表のようなソフィア・コッポラが演じています。
もちろんこの作品のフランシス・フォード・コッポラの実の娘さんです。
ニコラス・ケイジの友達役では、若き日のジム・キャリーも出ていますのでそのへんも注目して下さいね。さてペギー・スーはどう人生を生き直すのでしょうか?
ザ・ドライバー
1978年アメリカ映画。監督ウォルター・ヒル。
出演ライアン・オニール イザベル・アジャーニ ブルース・ダーン
卓越したドライビングテクニックで、犯罪者を警察からの追っ手を振り払う「逃し屋」家業の主人公と、その逃し屋を執拗に追いかけ続ける刑事との対決、さらにそこに美女が加わるクールなカーアクション映画。
この映画は最近、ライアン・ゴズリング主演の「ドライヴ」がヒットしてカルト的人気を得て再評価されています。ドライヴの原作はジェイムズ・サリスの同名小説ですが、このザ・ドライバーに影響されて書かれています。
さらにこのザ・ドライバーはアラン・ドロン主演の「サムライ」に影響を強く受けた作品です。
「ザ・ドライバー」、「ドライヴ」、「サムライ」この3本の映画を見ればあなたも最高にクールな人間になれるかも?!どれもおすすめな作品です。
で、この映画で刑事役のブルース・ダーンが本当に嫌な嫌なやつなのですが、部下にいやみな説教を垂れているときに瓶コーラをぐびぐび飲んでいます。
さて逃し屋と刑事の対決はどうなるのか、怪しい美女との結末は、ぜひ機会があったら見て下さいね。
LUCKEY TAPES「Gun」ミュージックビデオMV
10本の作品を紹介したので、ここでひと息入れて私の大好きLUCKEY TAPESの「Gun」という曲をぜひ聞いて下さい。
もちろんコカ・コーラが一瞬ですが出てきますので注目して下さいね。
どうですか?素敵な曲でしょう。ボーリングのシーンに瓶コーラが登場しましたね。一瞬だから気づかなかったかな。
ファーストアルバムはこのGunも収録の傑作アルバムです!
断絶
1971年アメリカ映画。監督モンテ・ヘルマン。
出演、ジェイムズ・テイラー デニス・ウィルソン ウォーレン・オーツ ローリー・バード
公開当時はアメリカでも日本でも興行的に大失敗に終わったロードムービー。
しかし時を重ねるごとに、カルトムービー化し、熱狂的なファンがいる映画でもあります。
ポンティアックGTOに乗るウォーレン・オーツが、ガソリンスタンドで蓋式冷蔵庫から瓶のコーラを取り出して飲みます。その横には据え置きの瓶置きも置いてあり、なかなか渋いです。
同じシーンでジェームズ・テイラーとローリー・バードも瓶コーラを飲みますよ。
あとはこの映画ロサンゼルスから、ワシントンまで路上レースで賞金を稼ぎなが ら旅を続ける映画なので、
古いコーラの看板や自販機が、ガソリンスタンドやダイナー(アメリカのレストラン)などで見ることが出来てなかなか貴重な映像です。
車好きの方にもおすすめの映画ですが、淡々とした作品ですので、派手なカーアクションとかはありません。
やはり、ヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュ、ジョン・カサヴェテスの作品がお好きな方には絶対気に入るとおもいます。
しかし渋い映画こそ普段アメコミ原作映画とかしか見ない若い人にも見てもらいたい!
ある戦慄
1967年アメリカ映画。監督 ラリー・ピアース
出演トニー・ムサンテ マーティン・シーン
ニューヨークの真夜中の地下鉄で偶然居合わせた人々。そこに酔っ払ったごろつきの二人組が乗車したことから始まる密室の心理サスペンス映画。
なかなか説明が難しいのですが、序盤が30分ほど過ぎ、チンピラ二人が乗車しラストまでの1時間の地下鉄の密室劇は見ていると息が苦しくなるほどの緊迫感です。
幽霊や殺人鬼の出るホラーでもなく、ハイジャック系の強盗でもなく、乗り物パニックのようなトラブルから脱出するわけでもないのに、胸が締めつけられるような映画で、もう一度見ようとなかなかおもえないぐらいヘビーな内容です。
しかしこの映画は紛れもなく傑作です!勇気のある方はぜひ見て下さいね。
で、コカ・コーラなのですが、この二人がビリヤード場から街に飛び出して、何かこれからやらかそうぜ!と悪巧みをしているシーンで売店の頭上にコーラの看板が小さく映し出されています。
またチンピラの一人アーティ演じるマーティン・シーンの映画デビュー作です。
本当にこの人の笑い方は怖いな〜。ジョディ・フォスター主演の「白い家の少女」でも違う意味でヤバい人を演じてました。プライベートでは、反戦・反核を訴える平和主義者として有名です。よかった(笑)
この「白い家の少女」の記事を以前書いたので興味がありましたらぜひ読んでみて下さいね。
ヤング・ゼネレーション
1979年アメリカ映画。監督ピーター・イェーツ。
インディアナ州のブルーミントンという町が舞台の青春映画。
親が石切場で働いていた労働者階級の子供たちと、青春を謳歌する大学生たちの対立と葛藤を描いていて、なかなか良い映画です。
ラストは自転車レースでの対決になり、ハラハラドキドキの展開を迎えます。ダニエル・スターン演じるシリルが、瓶コーラらしきものを飲んでいます。
また大学の食堂で乱闘になるのですが、そこではコカコーラのカップ式自動販売機が映っています。
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