【考察・感想】映画【白い家の少女】ジョディー・フォスター主演のサスペンス映画はアメリカの歴史にも繋がる?




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ハロウィンも近いということで、今回はハロウィンの夜から始まる映画をご紹介します!

この映画サスペンスとしても優秀ですが、舞台になった場所やアメリカの歴史がキーワードとして隠されていて、とても重要なんです。

それが判っているとさらに映画が楽しめますので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。

では基本情報からさっそく行ってみましょう!

 

「白い家の少女」っていつ頃の映画なの?

 

1976年のカナダ、フランス、アメリカの合作映画。

監督はチャールズ・ブロンソンの「扉の影に誰かいる」などのニコラス・ジェスネル

主演は当時14歳ジョディー・フォスター。少女につきまとう怪しい男に、「地獄の黙示録」などのマーティン・シーン

 

「白い家の少女」簡単なあらすじをご紹介

 

アメリカはニューイングランド地方(アメリカ合衆国北東部)。丘に建つ白い家にイギリスから引っ越してきた、少女リンと詩人の父親。

少女の誕生日でもあるハロウィンの夜に、一人の青年が訪ねてきたがとても怪しい男

なんとかやり過ごしたが、ある朝、白い家の家主ハレット夫人が訪ねてくる。この夫人とてもヒステリックな女で、さらにハロウィンに訪ねてきた怪しい男の母親だった!

この親子に執拗に狙われるリンにも、ある秘密を隠し持っていた。その秘密とは何か?

リンを何かと気にかけてくれる優しい警官や、ひょんなことから関わり合いを持つ、学生でマジシャンのマリオなどが絡んで衝撃的な展開へと物語は続いていきます。

興味がある方はぜひジョディー・フォスターの少女時代の衝撃的な作品を見て下さいね。

見たことあるよ~、あるいは見る気はないけどちょっと気になる映画じゃんと思われた方は、ネタバレありでもっと詳しくこの「白い家の少女」について解説してます。

エミリー・ディキンソンという孤独な詩人

ニューイングランドという土地柄

ハロウィンの次は感謝祭、いったい誰に感謝してるの?

あの脇役はビートルズにも影響を与えた実はすごい人!」などの内容になってますよ。

 

「白い家の少女」あれこれ

 

この映画の原作・脚本はレアード・コーニグです。

原題は「The Little Girl Who Lives Down the Lane」

まずとにかくジョディー・フォスターの演技は、やはりすごいですね。映画冒頭のシーンで、自分の欠けてる歯を舌でレロレロっと確かめる場面から、なにやら引き込まれてしまいます。

でもこれって本当に欠けてますよね。いったいジョディーに何があったんだろう。

すきっ歯なところも変態野郎マーティン・シーンに指摘されていましたが、現在のジョディーはすごいきれいな歯並びなので、矯正したんですかね。

トラベラーズチェックを銀行員に怪しまれならが、換金しお札を数えるところや、一人バスに乗ってエミリー・ディキンソンの詩を読んでいるところなど、何気ない細かい表現がすごいうまいです!

あの年でなかなか出来ないと思います。さすが天才少女ジョディー・フォスターですね。

 

主人公リンが読んでいる本 エミリー・ディキンソンって誰?

 

さてリンが一番好きな詩人エミリー・ディキンソンは女性詩人。

生前は無名でしたが、死後1890年に詩集を出版すると大反響を得て、現在では世界的に有名な詩人の一人となりました。

彼女は1830年ニューイングランド(アメリカ北東部)のマサチューセッツ州の田舎に生まれ育ちました。

はい、ここ注目です!

この白い家の少女の舞台もニューイングランドの田舎という設定です。

またエミリー・ディキンソンは、学校などから強制される信仰心(この頃起きたピューリタンリバイバル運動)に対して拒絶し、その頃から外出することをやめ、大半を家の中で静かに過ごし詩を書き続けました。

はい、ここも注目です!

リンも学校には行かず、友達もおらずに孤独に生きています。

何度も「大人には負けない」ということを何度も口にします。

これは明らかにエミリー・ディキンソンの生い立ちと重ねています。

リンにはその後マリオという心を打ち明けられる大切な存在と会うことができます。

 

ニューイングランドという土地

 

またこのアメリカ合衆国北東部に位置するニューイングランド地域はアメリカの歴史にとって、とても古くまた重要な地域になります。

とくにエミリー・ディキンソンの生まれた「プリマス」という町はイギリスが初めてアメリカ大陸を植民地にした地域です。

1620年メイフラワー号で清教徒たちがこの地に移住したことから、現在のアメリカ合衆国の歴史が始まります。(その前にもイギリスは何度がアメリカ大陸にきていますが、現在のアメリカの観点からお話しています)今から約400年前のことになります。

日本では江戸時代、徳川家光(家康の孫)が三代将軍に就任したころですね。

まだアメリカが独立宣言をする前の話ですので、新しいイギリスニューイングランドという名前がついているのですね。

「プリマス」は元々イギリスの地名なのですが、なぜこの地の地名になっているのかは、後ほどもう少し詳しくお話しますね。

はい、またまたこのへん注目です!

気のいい警官のミリオリティが、最初にリンに出会って車で家まで送ってくれたシーンで、こんなことを言っていたのをみなさん覚えていますか?

「ここはね~移ってきた人にはとても冷たいところなんだよ。最初の入植者の家族はいいけど、それ以外はみんなよそ者なんだ」

あの嫌なヒステリックおばさん、ハレット夫人。なぜあんなにつらくリンに当り散らしているのかの理由の一つは、このへんの歴史を知っているとすんなり入ってくる部分です。

もちろんすべての人がそうというわけではありませんが、このハレット夫人は自分たちの先祖がアメリカを作ったのよ!という自負がある人物だという点を押さえて見てみましょう。

それでペコペコ低姿勢にしていれば、服従するものとして認知してもらえますが、リンは決して服従はしません。

逆に「ここは私の家よ」と追い出しますね。

詩人の父親はのちにマリオに告白したとおり、死期が近いことを察知し詩人らしく海に消えて行ったので、リンにとっては家そのものが父親ということなんですね。もちろん毒殺した母親の亡がらを見られたくないということが一番だとおもいますが。

ジョディー・フォスター自身も父親の顔を見たことがない人であり、フランス語が堪能でイェール大学を卒業した秀才です。IQは130以上。

ちなみにイェール大学は、ハーバード大学というアメリカ最古の大学に対向する為に作られた大学です。場所は両方ともニューイングランド地域にあります。

いかにこの地域がアメリカにとって古く、また起点となった場所だということが、このことからもわかりますね。

大学をつくるということは、そこで有能な人材を育て、国家のために政治や経済、文化を発信する拠点にすることを意味するわけです。

 

ハロウィンの次は感謝祭! 誰に感謝しているの?

 

優しい警官のミリオリティは感謝祭で七面鳥が当たるクジを1ドルで売っているのですが、やはりここだけの習慣なんですかね。他の映画でも見たことがあるような、ないような。

はい、やはりここも注目点です!

さきほど話した通り、ニューイングランドはイギリスがはじめてアメリカに移住し、のちに入植した地域です。

1620年にメイフラワー号に乗った清教徒102人はイギリスのプリマスから出航したので、船が着いたところをプリマスと名づけました。

はい、また出ましたよ。詩人エミリー・ディキンソンの故郷プリマス

最初の清教徒たちは食料確保のため、狩りをしたり、土地を耕そうとしましたが見知らぬ場所での作業はうまくいきませんでした。

そこで先住民ネイティブアメリカンたちが、狩りの仕方やどういう作物を植えればよいのかなどをいろいろ教えてくれました。

そして翌年の1621年の秋には、冬を越せるだけの食料を収穫をすることが出来ました。

そこで恩人のネイティブアメリカンの人々を招いて、彼らと作物と神に感謝し、七面鳥かぼちゃを食べたことが感謝祭の始まりです。

まさにこの地域が発祥の地である感謝祭は、ニューイングランド地域ではとても重要なお祭りで規模も大きいので、クジの収益でイベントなどの出資に当てているのかなとおもいます。

ラストのフランクとの紅茶を飲むシーンで電話がかかってきますね。なんとリンはこのクジでみごと七面鳥を当てますよね。すごい!

でもリンは七面鳥が苦手でしたね(笑)本当にどうでもいい話ですけど、私も七面鳥は苦手です。

感謝祭は毎年11月の第4木曜日に行われ、全米の祝日になり学校・会社・政府はお休みになります。商店もほとんどの店が休業となります。アメリカでは一番重要な日と言っても過言ではありません。

これだけ聞くと良い話のように聞こえる感謝祭ですが、この後よそ者に優しくしたネイティブアメリカンたちは、土地を奪われ、ひどい仕打ちを受けたことはみなさんご存知だとおもいます。

今でもこの感謝祭に反対している人々は、ネイティブアメリカンを含めアメリカ全土にもたくさんいます。

というように、この地域の歴史習慣文化がわかっていると、さらに楽しめるのが「白い家の少女」です。そのへんを少し頭の片隅に残しながら見直すとまた面白いですよ。

ちなみにハロウィンは元々はケルト人たちの宗教的行事でしたが、その後アメリカで子供たちの仮想パーティとして定着しました。

リンはイギリスから来たので、ハロウィンのことを知りませんでしたよね。

この頃はアメリカ以外の国ではハロウィンなんて誰もしていませんでしたが、今ではイギリスやオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、日本でも毎年盛り上がるイベントとなりました。

 

警官役のモルト・シューマンは超名曲の作曲者でビートルズにも影響を与えた!

 

なにかとリンを気にかけてくれる、ミリオリティ警官。彼女のデートにパトカーを私物かしたり、甥っ子のマリオの変装に気づかずに、詩集にサインをもらって喜んでいたりとちょっと抜けているところも良かったですね。

でもこのぽっちゃり警官、実はすごい人なんですよ!

アメリカのブルックリン生まれで、ニューヨーク音楽学校で音楽を学びます。

作曲者として活躍し、代表曲はエルヴィス・プレスリー「ラスベガス万歳」ディオン&ザ・ベルモンツの「恋のティーンエイジャー」この曲はたくさんの人たちにカバーされてボブ・マーリーレッド・ホット・チリ・ペッパーズもカバーしています。

そして彼の作曲で一番の有名曲は「ラストダンスは私に」です。1960年のドリフターズのヒット曲です。

いかりや長介・加藤茶・志村けんのドリフターズではありませんよ、彼らのグループ名の由来になった元のグループです。念のため(笑)

この曲のリードボーカルはスタンド・バイ・ミーで有名なベン・E・キングです。その後ドリフターズからは脱退します。

日本では、越路吹雪さんがカバーして有名になりました。訳詞は岩谷時子さん。日本人にとってはこちらのほうがなじみ深いかもしれませんし、越路さんが歌っているのでシャンソンだとおもっている方も多いとおもいますが、原曲はポップサウンドです。

そして、ザ・ビートルズポール・マッカートニーはこの曲をベースに「ヘイ・ジュード」を作曲しました。

この人がいなければ、名曲「ヘイ・ジュード」は生まれなかったかもしれないとおもうと、気のいい警官も違ってみえますね。

はっぴいえんどの大瀧詠一は「ラストダンスはヘイジュード」という曲をザ・キングトーンズのボーカルでプロデュースしています。いかにも大瀧さんらしいユーモアですね。

またモルト・シューマンはこの映画の音楽の監修も担当しています。

音楽といえば、この映画の印象的なシーンに必ず流れる「ショパンピアノ協奏曲第1番」

とてもこの映画の雰囲気と合っていて印象に残りますよね。この映画の影の立役者はモルト・シューマンですね!

 

マーティン・シーンの変質者が結構怖い

 

マーティン・シーン演じるフランク。最初にリンの家にきたときから、なんだか普通じゃない感がビシビシ出てて好演技でしたね。

かぼちゃの中のろうそくをふっと消すところとか、人の家にずかずかと入り込んで、その足跡が泥だらけで床にべったりついているところなど最初からこのキャラクターやばいですよな、演出もよかったです。

でもなんといっても、リンの唯一の友達ハムスターちゃんを痛めつけて暖炉にポイッのシーンは強烈でしたね。あの問題のシーンはさすがのジョディー・フォスターも映画とはいえ辛かったようで、メンタルを少しやられてしまったそうです。

ラスト、リンから交換した紅茶をすすり、アーモンド味だねと言いながら咳き込みならが崩れていく表情も悲しみを帯びていてよかったです。

 

マリオ役のスコット・ジャコビーがいい!

 

片足を引きずり、ハレット婦人の車を移動し、土砂降りの中、庭に遺体を埋めてくれる、心優しきマジシャンのマリオ。

最後は雨の中での作業が原因で、肺炎にかかって死にそうになってしまう可哀想なマリオ。いや体調悪いのに、またムフフなことを期待してリンの家に戻ってきたことが原因なんだけど・・・。

でも孤独なリンに「愛している」と言わせた純粋さはすごいです。

ハレット婦人のカラフルな傘を開いて、メリーポピンズのまねをしてくれるところも映画ファンとしてはニヤッとさせられますね。

スコット・ジャコビーはその後ミュージシャンとなったようで、アルバムも発表しています。

音楽プロデューサーなどもやっているそうですが、詳しくはわかりません。もし情報お持ちの方がいれば教えてくれると嬉しいです。

 

最後にジョディー・フォスターの生まれたままの姿

 

当時の宣伝にも、14歳のジョディーが果敢にも脱いだと書かれていましたしたが、あのヌードは実のお姉さんのボディダブル(替え玉)です。

くそっ、だまされた!まあお姉さんでもいいか(笑)

ブルーディスク版は女優の仙道敦子吹替版(日曜洋画劇場のTV吹替音声)を初収録!すごい!

では、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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現役古本屋店員です。40代中年。映画・漫画・アニメ・歌舞伎・落語・小説・音楽全般などが好きです。国内・国際政治や出来事を勉強しつつ、それに関連するものを紹介できたらと思っています。宅建資格挑戦中。最近父になりました。