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映画「或る夜の出来事」はいろいろな名作に影響を与えました
以下にあげた作品を見たことがある、またはこれらの作品のファンである方は必見の映画です。
- ルパン三世 カリオストロの城
- 新世紀エヴァンゲリオン
- ローマの休日
- 卒業
またこの映画で広まり、その後たくさんの作品で真似されたシーンも多く登場します。
- 男性がYシャツを脱ぐと裸(肌着を着ていない・今ではあたりまえだけども)
- ヒッチハイクする際に、女性がスカートの裾ををまくり上げて車を止める
- 急にお泊まりすることになった女性が、男性のパジャマを借りる(だぶだぶのパジャマ)
- 花嫁がウェディングドレスで式場から逃げ出す
なんだか、映画・アニメ・漫画などで、こんなシーン一度は見たことがありませんか?
はい、全部この映画が元祖と言っても過言ではありません!!!
あっ紹介が遅れました、一野瀬ポーと申します。数ある中からの訪問ありがとうございます!
新世紀エヴァンゲリオン ジェリコの壁
「新世紀エヴァンゲリオン」とこの映画にも出てくる「ジェリコの壁」について一度記事にしているので、興味がある方はぜひこちらをご覧下さい。また中谷美紀・玉木宏主演の2018年のドラマ「あなたには帰る家がある」でも登場しましたね。
カリオストロの城
男爵との結婚式から逃げる、花嫁衣装のクラリスはこの映画の印象に残るシーンですよね。
このシーンは「或る夜の出来事」から影響されています。
それというのも、男爵が飛行機乗りでジャイロコプターを操縦し花嫁に逃げられる設定は、或る夜の出来事のヒロインの婚約相手と設定がまったく同じです。
飛行機好きで有名な宮崎駿さんが、ジャイロコプターという珍しい航空機が飛行するシーンが見られる映画を見逃すはずはありません。
きっとジャイロコプターを見たさに何度も見ているうちに、この映画が好きになったのではないでしょうか。
結婚式がビデオカメラで録音されているところもマネしています。カリオストロの城はテレビ生中継というのが重要にになっていて、レポーターは不二子ちゃんでしたね。銭形の一世一代の大根芝居もすごくいいですよね。
或る夜の出来事は時代的に生中継ではないのですが、カメラマンが高い位置から録画しているシーンが見られます。


ヘリコプターと飛行機の中間のような形状のジャイロコプター。「007は二度死ぬ」では小型式としてジェームズ・ボンドが操縦することでも有名です。



卒業
ダスティン・ホフマン主演の1967年公開のアメリカン・ニューシネマの元祖と呼ばれる名作です。
サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」のテーマ曲が鮮烈な映画です。
しかしこの映画の最も有名なシーンは、やはり教会で花嫁を奪う場面ですよね。映画史上に残る名シーンでその後にたくさんのパロディなども生みましたが、これも「或る夜の出来事」が少なからず影響を与えているのは間違えありません。



ローマの休日
言わずと知れた、普及の名作も「或る夜の出来事」がなければ生まれなかったかもしれません。ということは女優オードリー・ヘップバーンも誕生しなかった?!
大げさのような話ですが、ありえない話ではありません。
ダルトン・トランボとフランク・キャプラとウィリアム・ワイラーの繋がり
この映画の脚本家はダルトン・トランボという人が書いたのですが、この物語の構造は1940年代半ばにはすでに完成していました(ローマの休日は53年公開)そしてその脚本は「或る夜の出来事」の監督フランク・キャプラに渡されましたが、そのときは制作費の関連で結局映画化はされませんでした。
ですので、このローマの休日の脚本はそもそもダルトン・トランボ流「或る夜の出来事」を書いてみましたという感じなのです。どう?キャプラさん映画にしてみませんか?あなたの大傑作「或る夜の出来事」に影響されて、さらにこんな感じで練って作ってみましたよという感じです。
それから10年程経ち、監督のウィリアム・ワイラーはこの脚本に目をつけ映画化が実現しました。ウィリアム・ワイラーはフランク・キャプラと映画製作会社を一緒に立ち上げたこともある仲です。
金持ちで世間知らずのヒロインが訳ありで逃げていて、たまたま出会った男性は新聞記者。自身のスクープの為にヒロインに近づき助けるのですが、一緒に過ごすうちにだんだんとお互いに惹かれていく。話の構造がまったく同じです。
脚本のダルトン・トランボは赤狩りという共産主義者排斥運動により1950年より刑務所に収容されてしまいます。刑期は終えていましたが、ハリウッドから干されていたのでローマの休日公開時は友人のイアン・マクレラン・ハンターが名前を貸し、彼の名前が脚本にクレジットされました。
そのときはまさかアカデミー脚本賞を獲得するとは誰も思わなかったでしょう。



とても似通った二本の映画なのですが、違うのはラストです。或る夜の出来事はハッピーエンドですが、ローマの休日は少しほろ苦いラストにして男女の関係を越えた人間そのものの成長を描いています。
脚本家のダルトン・トランボはとてもハードな人生を送っているのですが、彼の人生は映画にもなっています。
ワイシャツを脱ぐと素肌
クラーク・ゲーブル演じるピーターがモーテルでYシャツを脱ぐシーンを覚えていますか。ほんとんどの方は覚えているけど、それが何か?というかんじだとおもいますし、今では普通にスルーする場面だとおもいます。
ピーターはYシャツの下に何も着ていなかったのですが、脱ぐと素肌・裸というのは当時としてはものすごく強烈なシーンでした。男性でも必ずYシャツの下には肌着を着ていたのです。
この映画のせいで肌着が売れなくなった?!
このシーンに影響された当時の世の男性達は、「おおっ!肌着を着てないのってワイルドでかっこいい!!」
さらに女性達には「肌着着てない方が、セクシーで素敵!!」と思わせました。
その結果、なんと男性肌着の売り上げが激減し、下着メーカーは製作元のコロンビアに猛抗議をしました。抗議されてもね・・・。
しかしこの問題のシーン、実はゲーブルの肌着は用意されていたらしいのです。ところがサイズが小さくてゲーブルが「じゃあもう肌着なしでいいや」と撮ったらしいのです。いやー何が原因で流行が起きて常識が変わるかなんて誰にもわからないですね。という面白い話です。
そして問題の下着メーカーはというと、映画会社に猛抗議し、さらに裁判で訴えようとしたことでさらに世間の評判が悪くなりました。トホホ・・・。(逆風が強く訴えは結局断念しました)
映画の影響力の怖さ
映画というものが、良くも悪くも流行を作りだし、世間を巻き込んでいく力をもう持っている。味方にすればビックチャンスですが、敵にまわしたらえらいことになることが決定的にわかったのです。
この問題のあと各メーカや小売り企業は、宣伝費や制作費を負担する変わりに、映画会社に自身の商品を作品に登場させて下さいと売りこむ、いわゆるタイアップという考えか方が少しづつではありますが浸透していくことになります(この作品以前にも似たような考え方ありましたが、大規模になったきっかけではあります)
肌着が肌着ではなくなった日
肌着ダサいと決定づけてしまった「或る夜の出来事」ですが、それから肌着の地位を一躍高め着こなしすら変えてしまったものもまた映画でした。
それから17年後の1951年に「欲望という名の電車」という映画が公開されます。そこでマーロン・ブランドが白Tシャツを肌着としてではなく、普段着としてトップスとして着こなしました。
この映画に影響をうけた若者を中心に大流行。肌着メーカーは今度は大儲けしました。またジェームス・ディーンの55年の「理由なき反抗」などもあり、肌着はTシャツとしてインナーからアウターへ、下着から普段着として着られるようになりました。
今街中で、白Tシャツにジーンズ姿の人を見て変だとおもう人は誰一人いないでしょう。
でもそれは、たった1950年代からの常識なのです。そしてそこにはすべてとは言い切れませんが、映画というものが大きく関与していたことは間違えありません。



スカートの裾をまくってヒッチハイク
現実でもヒッチハイクが増えた
横断バスが出来始めた頃の物語
女性が男性用のパジャマを借りてダブダブ姿
急に安モーテルに泊まることになった二人ですが、ピーターはぶっきらぼうにエリーにパジャマを貸してあげます。もちろん男性用なので、サイズが大きくダブダブです。
でもなんだかそこが滑稽で可愛らしいですよね。これももう数限りなく今でも真似されています。真似している人達も、もうこの映画が元だとは知らない人がほとんどだとおもいます。
部屋にはシャワーもついてなく、ダブダブ姿のまま外の施設に浴びに行くエリーですが、勝手がわからず並んでいる人に笑われますが、負けじと友達になってしまうところも彼女の負けず嫌いな性格をうまく表していてよい場面です。
そして、肌着、ヒッチハイクに続き、そうまさかのまさか、パジャマもこの映画で流行しました。
それまでは寸胴(ずんどう)の丈のながいシャツを着て、ズボンは履かずに寝るのが欧米では主流でしたが、上下に分かれたパジャマを愛用する人が急激に増えました。恐るべし「或る夜の出来事」!
最初パジャマはインドに駐留していたイギリス軍人が、インドの普段着を持ち帰り、肌触りが大変良かったので寝間着として使用したことで次第に広まっていったと言われています。
結婚式から逃げる花嫁 実は深い意味があった?!
もうこれは、今までにたくさん真似されすぎていて例をあげるまでもありませんね。でもこの映画が撮られたのは1934年なので、結婚式の最中に花嫁が逃げ出す内容はとても刺激的だったとおもいます。
1934年といえば1929年から始まった世界大恐慌の真っ只中にありました。多くの銀行は潰れ、街中には失業者があふれかえり、絶望的な時代でした。
エリーは父親が銀行家のお嬢様。婚約相手は女たらしの飛行機乗り。これをクビになった庶民のサラリーマンがかっさらうというのは、鬱憤(うっぷん)した世の中に対する夢物語という構造になっています。
金持ちの大事なものを、庶民が奪いとってもう一度景気を良くしたいという裏テーマが隠れているのです。
フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策(経済政策・「ニューディール」とはカードゲームでカードを配りなおすという意味です。まあ一度すべてリセットしましょうみたいなことです)で一時的に経済は盛り返しますが、決定打にはなりませんでした。
アメリカが完全に不況から抜け出したのは、第二次世界大戦による軍事支出によるものでした。
また大恐慌というのは、1920年代の大バブル時代の余波なのですが、この大バブルは第一次世界大戦での好景気からきたというのも皮肉な話です。人間ってのは懲りない生き物ですね・・・。
さあ、最後はまだまだあるこの映画の小ネタ集で終わりたいとおもいます。最後までおつきあいのほどよろしくお願いします▼
誰も期待していなかった映画だった!?
バックスバニーの元ネタ?
ホッドドック売りに話しかけたおじさんは何と言ったか
横断バスの途中に休憩があるのですが、その場面でホッドドック売りに小走りで駆け寄り耳打ちするおじさんがいます。するとホットドック売りが、「あぁそれはあっちだよ」と教えてもらいます。
このシーンなのですが、みなさんはおじさんが何を尋ねたのかわかりましたか?
答えは「トイレの場所を聞いた」のです。別にトイレぐらい堂々と聞けばいいじゃないとおもいますよね。
ところが、この頃ハリウッド映画にヘイズ・コードという検閲制度が設けられました。この規定によりトイレを直接映してはいけない、無駄にトイレという言葉も発してはいけないと定められていました。
えーーーーっというかんじでしょうか、本当にそうだったのです。
さらに未婚の男女はで同じベットで寝ているシーンを映してはいけないと定められていました。
そう、気づきましたか!実はこの映画の「ジェリコの壁」はヘイズ・コードがあったせいで見ず知らずの男女が同じ安モーテルで寝ることが検閲にひっかかるので考案されたシーンなのです。
苦肉の策に考案されたシーンが、今ではエヴァンゲリオンなどにも影響を与えているなんて面白いですね。
ドーナツにも正式な食べ方があるって本当?
アメリカのファストフードチェーン店「ダンキンドーナツ」は日本にも90年代までは店舗がありました。今ドーナツチェーンといえばみなさんご存知の「ミスタードーナツ」ですよね。
自分はダンキンドーナツ派だったので、日本から撤退してしまった時はちょっとショックでした。韓国では、まだたくさん店舗があるそうですよ。



て、あんた急になんの話してんのとおもった方、これもちゃんと「或る夜の出来事」のお話です。
モーテルで朝ごはんを食べているエリーがドーナツをコーヒーにひたして食べると、ピーターがまたもお説教。いったいなにを学んできたんだと、ドーナツを割ってさっとコーヒーにダンク(浸す)させると、崩れる前にすばやく口に持っていきます。
なんだか江戸っ子のそばの食べ方みたいですね。
これが正式な食べ方だと、ヒッチハイク同様自慢げに話します。
この食べ方は元々牛乳にパンを浸すなどあったとはいえ、ドーナツにコーヒーをひたすのがまたもや流行し、ダンキンドーナツの店名もここから由来しています。
ちなみにバスケットボールのダンクシュートは、飲み物に食べ物をひたす動作に似ていることから命名されました。こちらのほうが後なんですね。
空中ブランコ乗りの歌のモデルはレオタードの語源って本当?
バスの中でみんなで合唱する楽しいシーン覚えていますか。
これは「空中ブランコ乗りの歌」とか「空飛ぶブランコ乗り」などと呼ばれる歌です。
元々あった曲なのですが、1930年代にリバイバルし流行歌になります。みんな楽しそうに歌ってますよね。庶民から金持ちのエリーまで歌っているのでそうとうな大ヒットだったのでしょう。
内容は好きになった女の子が、サーカスの曲芸師空中ブランコ乗りの男に恋をして、とられてしまったというコメディ調の曲です。
実はこの曲のブランコ乗りにはモデルがいて、その名をジュール・レオタール(1839〜70)といいます。フランス人で、今の空中ブランコの形を築いた伝説の曲芸師です。
彼はパフォーマンス中に体にフィットしたぴっちりした服を着ていました。それが運動するときにとても動きやすく、また密着していることで体の動きが良くわかるということで、真似て使う人が増えました。それはスポーツの世界、特に体操の世界などで採用されました。
その服をレオタールさんが着ていたので、レオタードと今でも呼ばれています。



おぉ、レオタールさんがいなければ、ドリフの仲本工事の「はいポーズ」(古くてすみません)もないのか〜と妙に感動してしまう豆知識でした。
コーラの瓶が一瞬登場している!?
最後は一瞬過ぎてよくわからないのですが、バスの休憩から帰ってきた人の手にコーラの瓶が握られているようにみえます。
もうこれは個人的な趣味なのですが、映画に登場する飲み物、特にコーラを探しながら映画を見ています。あの形状からしてコーラだとおもうだけど・・・って興味ない方にはどうでもいいですね。
長い記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!
ぜひいろいろな時代背景を踏まえつつ、この「或る夜の出来事」を見て下さいね。
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(@byebyeamaryllis)