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今回は現在9巻まで刊行されている、連載中の漫画「血の轍(ちのわだち)」について書いてみたいとおもいます。
一言で言って、「心がなんだか不安定になり」「じとっーと嫌な汗をかく」ような漫画です。
「もう読みたくないな」とおもいつつも「どうしても続きをこっそり読んでみたい」という欲望に負けてしまう、そんな作品です。
この漫画すべての人に大手を振って「おすすめ」できる作品ではありません!
話の核やすべてを書いているわけではないのですが、ネタバレが嫌いな方は読後に記事を読んでくださいね。
みなさんも、この機会にこの禁断の書物を一読するのはどうでしょうか?

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■目次
血の轍の作者は?

「血の轍」の作者は押見修造(おしみしゅうぞう)さんです。
1981年群馬県出身です。
代表作は「悪の華」「ぼくは麻理のなか」「ハピネス」などの衝撃作を次々と発表し、新作を発表するたびに話題になる奇才の漫画家の一人です。
血の轍ってどこに連載されているの?

「ビッグコミックスペリオール」誌上にて2017年から連載中です。
単行本は2020年8月現在、9巻まで既刊されています。
まだまだ追いつける巻数なので、これを機会にぜひ読んでみて下さいね。
血の轍のストーリーって?

主人公の長部清一は母親に似て丹精な顔立ちだけれども、どこにでもいそうな、ちょっと気弱な中学二年生の男の子。
父親は普通のサラリーマン、母親は専業主婦でとても美人でスタイルも良く、そこそこの一戸建てに住む中流家庭の家族です。
子供と大人の間で揺れ動く少しやんちゃな友達たちとつるんでいて、思春期らしくクラスメートの吹石さんに想いをよせています。
本当にごくごく普通なんですけど、最初から少し違和感があります。
朝ごはんが変?

それは朝ごはん。
お母さんは「肉まんとあんまん どっちがいい?」と聞きます。
忙しいわけでもなく、申し訳なさそうでもなく、笑顔で
「肉まんとあんまん どっちがいい?」
このセリフ一つで、「あれっ、なんかこの母親変わってるのかな?」とおもわせます。
でも、それが日常になってしまえば、当の本人たちにはいつもの朝ごはんです。
肉まんだろうが、あんまんだろうが、とてもこの家族は普通に見えるし、またそれで家族が良ければ他人が口出しすることでもないのですから。
このへんの絶妙な日常の違和感はそうそう出せるものではありません。冒頭から「うなり」「この漫画ちょっとすごいかも」とおもいました。
歯車が狂いだす

静一の家には、父親のお姉さんとその子供シゲル(いとこ)が週末になると必ず遊びにきます。このお姉さんもシゲルくんも、どちらかというと他人に遠慮というものがあまりない人たちです。がさつなところもかなりあります。
毎週末くるので、静一は学校の友達となかなか遊べません。母親も義理のお姉さんなのでとても気をつかいます。静一はやんわりと断ろうとするのですが、母親は満面の笑みで「また来てね」と言うので静一も断れません。
そして夏休みに静一家族やシゲルの家族も加わって、みんなで山登りに行くことになり、そこである大事件が起きます。
だんだんと静かに狂気を帯びてくるストーリー展開。
さらにクラスメートの吹石さんも話に関わりだし、この後どうなるのか目が離せなくなっていきます。
「血の轍」のここがすごい!

この漫画、とても静かな静かな漫画です。展開もゆっくりゆっくり進んで行きます。
幽霊とか化け物とかが出てくるわけでもありません。でもすごく怖いのです。
ではどこが「すごい」から怖いのでしょうか?
作画がすごい
押見さんの画力は作品ごとにどんどんレベルが上がっており、作画の圧倒的うまさがこの作品を底知れぬ怖さをかもし出しているのは間違いありません。
特に顔の表情や、人のしぐさを中心的に細かく丁寧に描いています。
ですので、すべてを圧倒的なリアル感で描いているわけではありません。
逆に風景などは軽くスケッチしたような絵になっていて、省略された部分もあります。その強弱が静一の心情を表しているようで、心が揺さぶられます。
そして美しい母親を、本当に美しく描いています。その美しさが、彼女の少しの違和感をより強調する効果を出しています。またこれは静一目線の母親像なので、その美しさが本物なのか、彼の補修された画像なのかも判らない、ゆらぎのようなものが彼女の顔に見え隠れしています。
絵のうまさ=面白い漫画だとは私はおもいません。
でも「血の轍」に関しては、お母さんをきれいに描く技術がないと、そもそも成り立たない漫画です。
ですので押見さんでも初期にこれを描いていたら、あまり面白くなかったかもしれません。今の円熟期にある、画力があるからこその作品でしょう。
それが読める幸せを噛みしめながらページを一枚一枚めくってしまいます。
余計なものを削ったミニマルな世界
なにも考えずに読んだら、この漫画の単行本はあっという間に読めてしまいます。そもそもセリフが少ない作品です。
ですので、コマ一つ一つの顔の表情や描かれている物が情報になります。
この漫画から芽生える感情は、人それぞれで感じ方は変わるとおもいます。それだけ隙間や空間があり、読者にゆだねているといってもいいかもしれません。
先ほど風景や物は軽くスケッチしたものが多いと言いましたが、やけに細かく描かれているものもあります。
静一が母親と長崎屋というデパートに行き食堂で食事をする場面があるのですが、そこのテーブルに置いてある古いカプセル式の占い機(昔はよく置いてあったのですが、もうほとんど見ません)を一コマ描いていたり、
蛸の唐揚げを「必ず頼んでいたよね」と注文して、「一個ちょうだいね」と先に食べる母親の口のアップのシーン。
また静一が学校で少し問題を起こしたあとに、晩ごはんを食べるシーン。
一コマで、晩ごはんを描いているのですが、ご飯、あじの開き、みそ汁などの横に何もおかずが乗っていないお皿が描かれています。
ん、これなんだろ?とおもうと、そのお皿は母親がきれいに魚の骨をとって、静一に身だけを取ってあげる為のお皿だと数コマ目にわかります。
このような、なにげない日常にゾッと背筋が寒くなります。そしてこの何でもない細かいエピソードの積み重ねが、狂気の場面ではさらに怖さを倍増させています。
狂っているのは母?僕?世界?それともすべて・・・

いったいこの話は何なのでしょうか?
いかれた母親から逃げ出すサイコホラーサスペンスなのでしょか?
静一くんの母離れの成長物語なのでしょうか?
もちろんそういう要素の物語だということはわかるのですが、
単純にそうとはおもえません。
私にも答えが出ませんが、私も静一のようにこの漫画について書こうとおもうと、「おっ お お お っっっ うっ」と、どもって何かが喉の奥をふさいでいるかのような気分になります。
もっと人間の根源的なものを描いているような気がします。あるいは、そう感じるのは私個人の問題なのかもしれませんね。
タイトルの「血の轍」の元ネタは?

タイトルの「血の轍」は、1975年発表のボブ・ディラン15枚目の傑作アルバム「血の轍」からとられています。
押見さんの作品は、ボードレール「悪の華」など「詩人」と呼ばれる人の作品からのオマージュが、私の好みにピッタリです。
常軌を逸したお母さんが出てくる作品

最後は、変わったお母さんが出てくる作品を紹介して終わりにしたいとおもいます。
みなさんはどんな作品がおもいつきますか?
ついに最終巻を迎えた傑作漫画「岡崎にささぐ」。岡崎さんのお母さんもなかなかすごい人でしたね。最終巻ではお母さんの現在も知ることが出来きてひと安心?
楳図かずおの傑作代表作「漂流教室」 母と息子といえば、楳図かずおの作品をおもいだしてしまいます。翔ちゃんのお母さんの息子を思う気持ちは時空をも超えていきます。この愛と狂気の世界はすごい!
「ど根性ガエル」の作者、吉沢やすみの娘さんで漫画家の大月悠祐子が、自身の家族をせきららに描いた問題作「ど根性ガエルの娘」。お父さんのヤバさはビンビンに伝わるのですが、結構怖いのが少しずづ壊れていくお母さん。これは並のホラー漫画より怖い!
変態映画監督ジョン・ウォーターズ監督94年の作品「シリアル・ママ」 ルールを守らない人々を、次々と粛清するお母さんの話。漫☆画太郎の「道徳戦士超獣ギーガー」と並び正義って、道徳って何だ?と心が揺らぐ問題作(ちょっと言い過ぎました・・・)
特撮オタクのOLの日常を描いた人気漫画「トクサツガガガ」。主人公の仲村さんの最大の宿敵はやはり「お母さん」でしょう。ドラマ版では松下由樹が演じていて、かなり怖い!
ドラマ化も評価の高い「凪のお暇」。凪の一番のトラウマは彼でも同僚の女子でもなく、やはり母親でした。
まだまだたくさんありそうですよね。母親ってみなさんにとってはどんな存在でしょうか?

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(@byebyeamaryllis)